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Interview

Gallery Tour With Dear Art Vol.1
KOSAKU KANECHIKA – Noritaka Tatehana

May 10, 2021

「日本のアートシーンって、いま、どうなっているの?」
「気になるあのアーティストは、どんな想いで作品を作っているの?」

日本のアートに興味を持つ皆様からの疑問の声に応えるべく、Dear Artに出展していただいているギャラリーさんと一緒に企画を考え、リレー形式で連載していく「 Gallery Tour With Dear Art 」が始動しました。

今見るべきアーティストやおすすめの作品、飾り方などを、一押しの作品や秘蔵の作品とともにご紹介します。作品の一部はそのままDear Artでのご購入が可能ですので、「アートの買い方がわからない」「あのアーティストについて知りたいけど、今更聞けない」という、アート初心者の方にもおすすめです。

“作品を介して、日本を知ってもらう機会を広げていきたい”
KOSAKU KANECHIKA - 舘鼻則孝さんインタビュー

第1回目となる今回は、KOSAKU KANECHIKAさんにお伺いし、現在「RETHINK」展を開催中の舘鼻則孝さんにインタビューさせていただきました。

 花魁が履く高下駄から着想を得て制作され、Lady Gagaが着用したことでも話題となった代表作「ヒールレスシューズ」など、日本古来の技術や知恵と現代の要素や価値観を組み合わせることで、新たな視点や世界観を提示する作品で知られる舘鼻則孝さんは、国内外のコレクターさんから高い注目を集める日本人アーティストの1人です。
 「RETHINK」展は、舘鼻さんが展覧会ディレクターを務めた東京都主催のオンライン展覧会「江戸東京リシンク展」で発表された、江戸東京の歴史ある伝統産業とのコラボレーションによって誕生した作品を、実際に見ることができる展覧会です。
 会場で作品を拝見しながら、日本の伝統や文化を軸に表現するまでの経緯や、作品に込められた想い、作品をより深く楽しむヒントなどを語っていただきました。展覧会と併せて、ぜひお楽しみください。

Photo by Keizo Kioku

舘鼻則孝展「RETHINK」 2021年3月6日(土)−5月15日(土)
11:00−18:00 (日・月・祝 休廊) KOSAKU KANECHIKA
〒140-0002 東京都品川区東品川 1-33-10 TERRADA Art Complex 5F 03-6712-3346

東京都主催のオンライン展覧会「江戶東京リシンク展」で発表されている、江戶東京の伝統産業にフォーカスを当てた新作を展示する特別展。「日本文化の過去を見直し現代に表現する」という舘鼻則孝の創出プロセスである「RETHINK」を起点として、古来より続く伝統産業の価値や魅 力が新たなかたちで提案されています。

1つのテーマをもとに、
プロジェクトベースで作品を考える

――まずは改めて、ご自身の言葉でアーティストとしての近年の舘鼻さんの活動について簡単に教えてください。

舘鼻 近年は、テーマやメッセージがあってそのプロジェクトベースで作品を作ることが多いですね。学生の頃は作品が主体で1つの作品に個でアプローチしていましたが、今は今回の江戸東京リシンク展のようにテーマがあって、そのストーリーを、作品を通して鑑賞者に紡いでもらう、感じてもらうことを目指しています。ただ1つの作品を作るというよりは、常にチームで動いていますし、伝統産業の事業者の方々とのコラボレーションも多く、その方々の言葉もあって、連作で自分の思いを形にしていく創作活動をしている感じですね。

――舘鼻さんは、旧山口萬吉邸(kudan house)での展覧会「NORITAKA TATEHANA RETHINK―舘鼻則孝と香りの日本文化―」のように、空間に世界観ごと作るような展示演出が秀逸だなと感じます。見る側からすると、世界観のある展示はアーティストの頭の中を覗いているようで楽しいですし、初めてそのアーティストに触れる場合でも、ギャラリーで作品単体を見るより、コンテクストを含めての理解がしやすいと思います。

舘鼻 確かにホワイトキューブ(※1)などのキャラリーでは、シンプルな空間に作品の商品価値で真っ向勝負する感じがしますが、旧山口萬吉邸のような邸宅での展示では、非日常を演出し展示自体をアトラクションとして楽しんでもらえるようなアミューズメント性が必要だと考えています。  (※1 装飾や凹凸を極力排した、白い壁と白い天井で構成された展示空間の代名詞。作品以外のあらゆる情報を遮断することで、鑑賞体験の純粋性を追求した空間。 1936年にニューヨーク近代美術館(MoMA)で確立された。)

Photo by GION

旧山口萬吉邸(kudan house)での展覧会「NORITAKA TATEHANA RETHINK―舘鼻則孝と香りの日本文化―」

創作活動の始まりはファッション

――また、舘鼻さんにはストーリーテラーとしての稀有な才能も感じます。旧山口萬吉邸(kudan house)でのJ Tさんとの展示エリアでは花魁のキセルから発想するなど、企業や工芸とのコラボレーションにおいての関係性から作品への展開も見事ですよね。そのような才能はどういうところから生まれたのでしょう?

舘鼻 もともと私のクリエイションへの興味はファッションから始まっているんです。ただファッションの世界で活動していくにつれて、自分のクリエイションはアートとして表現すべきなのではないかと思うようになりました。私自身の日本生まれ日本育ちというアイデンティティを生かし、その自分と自国の文化がクロスオーバーしたところで表現したいと思い、東京藝術大学では日本の伝統工芸を学びましたし、文化的側面やコンテクストがあって過去の価値が現代に継承されるアートの世界に惹かれました。
 また、藝大で工芸を学んだからといって古いものがそのまま残ればいいと思っているわけではありません。例えば今回ヒールレスシューズに組紐を使いましたが、パッと見た時にそれが組紐に見えなくても良くて、一見した時の「らしさ」よりも、常に新しいフォームや雛形を生み出していくのが作家の大義の一つだと思っています。

創業以来130年以上にわたり、組紐の文化と技術を守り続ける龍工房とのコラボレーション。
仏教の伝来とともに、仏具や巻物の付属品として日本に渡来してきた組紐の歴史は長く、行事や用途に合わせた様々な結び方が存在します。ヒールレスシューズという現代的なフォーマットと掛け合わされ、また新しい表情が生まれているようです。

《 Baby Heel-less Shoes 》 2021, Dyed cowhide, Japanese plaited cord, metal fastener, h.17.7 x w.8.3 x d.13.2 cm each / Noritaka Tatehana 舘鼻則孝

――伝統文化を深く理解した上で、新しい表現につなげていくという想いが、作品につながっているのですね。
 そんな舘鼻さんですが、現在はご自身の会社を構えチームで創作活動をされていらっしゃいます。メンバーひとりひとりのことをよく考えて運営されている印象ですが、どうしてそのような体制を作ることになったのでしょうか。現在は何名ぐらいで活動されているのでしょうか。

舘鼻 現在は学生を入れて主に6人のスタッフとともに制作しています。私自身の考えとして、学生時代から取り組んできたことを生かして就職できるスキームを構築したいと思っています。私の出身校である藝大の工芸科にいると、進路を考える時に、作家かそうじゃないかの二択しかないように思ってしまうケースも多くて、作家になれなかった場合の就職先としてあるのは藝大や美術予備校の先生くらいです。せっかく藝大に入って日本の素晴らしい工芸的な技術を身につけても、卒業生の中には全く異なる分野に進まざるを得ない人も多いんです。藝大への入学がゴールになってしまってはもったいないと常々感じていて、その辺りを変えていかなければという思いが強く、こうした体制を作ることになりました。

工芸とアートの違い

――舘鼻さんは、工芸の技術を大いに取り入れながら、日本文化をコンテクストを紡ぎながらも美しいものとしてアートに昇華させていると感じますが、工芸とアートの違いはなんだと思いますか。

舘鼻 私自身工芸で注目されることも多いのですが、実は、特に工芸に特化することを目指しているわけではありません。ただ日本の伝統工芸の卓越した技術や手法は、多様化したローコンテクスト社会の中で独自性を見出せる可能性があると思っています。
 工芸とアートの違いについてですが、もし工芸を英語の「craft」とほぼ同義だとすると、工芸はデザインの分野に入ると思います。例えば欧米の捉え方では、ニューヨーク近代美術館(MoMA)でダイソンの掃除機のようにインダストリアルなデザインとウィリアム・モリス(※2)の工芸的なテキスタイルは同じデザインの分野として展示されています。しかし日本人の捉え方は少し違っていて、工芸の並外れた技術をアートに近いものとして捉える感覚があるように思います。日本における工芸という語には、そういった独自の価値観が含まれているかもしれません。
 そのような感覚の違いはあれど、根本的なところにある一番の大きな違いは、「デザインは既にある問題を解決するもの」で、「アートは問題自体を提起したりするもの」だということです。アートにはコンテクストが内包されているので、国の違いを超えて言葉に頼らず意味や想いを伝えられるのだと思います。 (※2 1834年、ロンドン生まれの思想家・デザイナー。草花や樹木などの自然をモチーフとしたテキスタイルザインを特徴とし、近代デザインの創始者とも言われる。「芸術と仕事、そして日常生活の統合」を理念とする、ア-ツ・アンド・クラフツ運動の中心人物。)

作品を見ることで、アーティストのRETHINKを追体験する

――舘鼻さんの作品を理解するためのコンテクストについて教えてください。

舘鼻 作品を見ていただくことは、ある意味で私が行った日本文化のRETHINK(見直す)を、鑑賞者が追体験するということだと思います。例えば今回の作品にもある雷雲のモチーフは、神社のしめ縄(雲)と、その下についているギザギザの白い紙「紙垂(しで)」(雷)と同じように解釈することができます。紙垂は、結界であり、そこが神聖な場所であることを表しています。日本に住んでいると神社仏閣が当たり前に溢れていて接する機会は身近ですが、実はその建築やモチーフの1つ1つには受け継がれてきた思想や文化背景があり、そういったものを現代の視点で考え直し、表現しています。

――なるほど。そういったコンテクストを踏まえると、雷のモチーフの作品を結界として玄関に飾ったりするのも良さそうですね! 作品への理解が深まると、より一層愛着が湧き、発想が広がります。

鏡に描かれた雲と雷には、結界の色として魔除けに用いられた紅色が用いられています。日本伝統の口紅「小町紅」を江戸時代から続く秘伝の製法で仕上げる伊勢半本店からインスピレーションを受け、制作された作品です。その他にも様々な作品で、雲と雷のモチーフが用いられています。

《 Descending Layer 》 2020, Safflower pigment, glass, stainless steel, h.120.0 x w.120.0 x d.6.0 cm / Noritaka Tatehana 舘鼻則孝



Featured Work

江戸時代の疫病の護符であった紅一色の木版画「疱瘡絵」から着想を得て、結界を表す雷をモチーフにした作品。お家やオフィスに飾りやすいサイズ。※本作品は「RETHINK」展会場ではご覧いただけませんのでご注意ください。

左《Thundercloud Painting #81》 2020, Acrylic on panel , 19.3 x 20.2 cm, ¥220,000(Tax in) / Noritaka Tatehana 舘鼻則孝
右《Thundercloud Painting #88》 2020, Acrylic on panel , 19.8 x 20.2 cm, ¥220,000(Tax in)/ Noritaka Tatehana 舘鼻則孝

――続いて、ヒールレスシューズが生まれた背景についてもお話を聞かせてください。

舘鼻 先程も話したように、当初は世界で認められるファッションデザイナーになりたいと思っていました。ただ、ファッションの本場である場所、例えばフランスなどに行って学ぼうかと考えたときに、元々その国で生まれ育って自国の文化を学ぶ人には敵わないのではないか、日本人である自分が世界で戦うには自国に受け継がれる素晴らしい文化を会得した方が活躍の場が開けるのではないかと考えました。そこで海外でファッションを学ぶのではなく、日本で着物や履き物などにまつわる伝統工芸を学ぶことにしたんです。そこで得た技術や考えから着想して、ヒールレスシューズを生み出すに至りました。
 表現をコミュニケーションとして捉えると、最初に取り組もうとしていたファッションは人が関わるものなので時代を動かす力があるし、音楽には強く共感させる瞬発力があります。自分が最終的に選んだアートには、瞬発力はないけれど永続的に同じ力でメッセージを発信し続けることができるコミュニケーションだと考えています。

伝統も自分自身も変化することが大事

――創作活動において舘鼻さんがストーリーやコンテクストをとても大事にされていることが分かりましたが、これまでに表現してきたストーリーを教えてください。

舘鼻 私自身は子供の頃からコミュニケーションが得意ではなく、ものづくりが救ってくれたというか、ステージを与えてくれたと感じています。その恩返しの意味でも創作活動に携わっていたいと思っています。
 またクリエイションでは、自分自身も含めどんどん変化していくことが大事だと考えています。変わらないものだと思われている伝統も、昔のまま残っているわけではなくて、変わりながら、それを積み重ねていったことで後世に残り、伝統と呼ばれるようになりました。変わらないと伝統にはなり得ません。例えば、伊勢神宮で式年遷宮の時に奉納される三千本の弓矢は、昔は朱鷺の羽が使われていたそうですが、その理由は当時たくさん朱鷺がいたから。今は同じ理由でカラスの羽が使われることがあると聞いたことがあります。そうやって時代とともに変わっていきながら継承されていくのが伝統だと思います。

自分の記憶とリンクしたパーソナルな想いの作品

――ご自身の作品で特にお気に入りを選ぶとしたら、どの作品をあげられますか。

舘鼻 ヒールレスシューズは別として、他の作品と違う思い入れがあるのは、自分の記憶とリンクしている「カメリア・フィールズ」かもしれません。私の実家は鎌倉にあり鎌倉で育ちました。自分の家を含め、周りには椿や梅が植えられた庭のある家が当たり前にありました。昔、椿は花ごと落ちる様が武士の潔さにつながるとして、武家屋敷に好んで植えられたそうです。「カメリア・フィールズ」は大学時代に覚園寺を訪れた際に見た、椿の大木から落下して散らばった真っ赤な椿の光景を再現したくて作った作品です。作品のテーマとしては日本独特の死生観があり、自分の中では死がゴールというか、死との距離を計ることでそのコントラストとして生を感じることができると感じています。

――これまでで印象に残っている、展覧会での展示演出や、コレクターならではの作品の楽しみ方などはありますか

舘鼻 私の作品のコレクターの中にパトロンのように親身に応援して下さっているダフネ・ギネスさんという、アイルランドの貴族の方(ギネスビールやギネスブックのギネス家の方)がいて、邸宅に招かれたこともあるのですが、その方はヒールレスシューズを30足以上持っていらっしゃって、飾るだけではなく実際に履いてくださっています。ヒールレスシューズは、とてもアヴァンギャルドな作品でありますが、毎日の生活の中でなくてはならないものだとダフネさんはいつも語ってくれています。
自分で考えた展示の中では、旧山口萬吉邸での展覧会のように窓枠に合わせて作品を制作するなど、その空間の一部として作品を飾る、その空間との関係性を踏まえて展示演出を考えるのが楽しいですね。

Photo by Keizo Kioku

これまで様々なテーマで展開されてきたヒールレスシューズは、世界中のコレクターたちに愛され、多くの美術館に収蔵されています。今回の展覧会では、伊勢半本店とのコラボレーションで玉虫色に発色する紅を用いた作品が制作されました。玉虫色に輝く側面と、濃い紅色の内面のコントラストからは、かつての花魁がこの紅を唇に乗せたときの高揚感のようなものが感じられるようです。

右《 Heel-less Shoes 》 2021, Dyed cowhide, safflower pigment, metal fastener, h.32.0 x w.8.5 x d.19.4 cm each / Noritaka Tatehana 舘鼻則孝



Featured Work

Babyという名前の通り、通常のヒールレスシューズよりも小さく、オブジェのように飾ることができます。スワロフスキーが全面に施され、光の角度によって様々な色に変化します。※本作品は「RETHINK」展会場ではご覧いただけませんのでご注意ください。

《 Baby Heel-less Shoes 》 2019, Dyed cowhide, pig suede, glass crystal, metal fastener, h.17.4 x w.6.7 x d.11.7 cm each, Open Edition, ¥825,000 (Tax in) / Noritaka Tatehana 舘鼻則孝

作品が日本を知るきっかけになると嬉しい

――作品を見る方やコレクターになる方に、どのように作品を楽しんでほしいという思いはありますか。

舘鼻 私自身がそうであるように、作品を通して日本のことや継承され続けている日本文化のことをもっと知ってほしいと思っています。以前、展示の中で京都の香老舗 松栄堂とコラボレーションしたのですが、そのことが私自身にとってもいろいろと香りのことを学ぶきっかけになりました。作品を鑑賞してくれた方が、それをきっかけに日本のことを知り、家族や友人にそのことを話してくれたりして数珠つなぎに広がっていってくれたらいいですね。アートは世界共通言語なので、言葉が通じなくてもクリエイションを介して通じ合えると思っています。

コロナ禍をきっかけに自分の足元を見直す

――コロナ禍の緊急事態宣言中には、テレワークで作品を制作し発表されていましたね。

舘鼻 江戸時代の疫病の護符であった紅一色の木版画「疱瘡絵」から着想を得て、結界を表す雷をモチーフにした作品「Thundercloud Painting」をスタッフの各自宅で作業するという方法で100点制作しました。これは普段から工房制で作品を制作していることで培ったクオリティーコントロールがベースにあったからこそできたことです。パンデミックによって、この先がどうなるかわからないという状況の中で、雇用を守り、仕事を生み出せたことには大きな成果を感じています。

――これから舘鼻さんが紡いでいくであろうストーリーをお聞かせください。

舘鼻 コロナの影響もあり、ここ1、2年で時代は激変し、いろんなことを見直すタイミングなのだと思います。私生活含め様々な面での影響は大きいので、投げ出してしまうのではなく、生活や自分、日本など、自分の足元やアイデンティティについて責任を持って見直す必要を感じています。その中で「現代を通して過去の日本を見る」また「過去を通して今の日本を見る」ような、時間軸の往来を活動の軸としていきたいです。まだどのように自分の創作活動に影響が出るかは分かりませんが、この機会をポジティブに捉え自分の得た考え方を、作品を通して共有していきたいと思います。

――最後に、舘鼻さんにとってアートとはなんですか。

舘鼻 幼い頃からそうでしたが、やはりコミュニケーションツールという感覚です。現代に活動をする作家としては、創作活動を通じて日本文化に触れられる装置のような感覚でもあります。

Photo by Keizo Kioku

インタビュー:山本菜々子 テキスト:山下千香子

Artist Profile

1985年東京生まれ。歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ鎌倉で育つ。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で、幼少期から手でものをつくることを覚える。2010 年に東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業。遊女に関する文化研究とともに、友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。
「イメージメーカー展」(21_21 DESIGN SIGHT、2014)、「Future Beauty」(東京都現代美術館ほか国際巡回、2012)、個展「呪力の美学」 (岡本太郎記念館、2016)、個展「It‘s always the others who die」(POLA Museum Annex、2019)、個展「NORITAKA TATEHANA: Refashioning Beauty」(ポートランド日本庭園、2019)等の他、ニューヨーク、パリ、ベルギーなど世界各地で作品を発表。また2016年3月にパリのカルティエ現代美術財団で文楽公演を開催するなど、幅広い活動を展開している。作品はメトロポリタン美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館などに収蔵されている。

Gallery Profile

KOSAKU KANECHIKAは、2017年3月に天王洲のTERRADA Art Complexにオープンした現代美術を取り扱うギャラリー。
既存の枠にとらわれない新しい表現で、海外のアートシーンでも高く評価される国内作家や注目すべき海外作家の展覧会を企画していく。
取扱作家は、青木豊、沖潤子、桑田卓郎、佐藤允、鈴木親、舘鼻則孝、fumiko imano